禁断の復讐劇に挑む柴咲コウ
3日、映画『蛇の道』の柴咲コウ主演シーンが解禁された。本作は、娘を殺された父親アルベール(ダミアン・ボナール)と、心療内科医の小夜子(柴咲コウ)が、関係者への徹底的な復讐を描くミステリードラマだ。
解禁されたのは、アルベールと小夜子が次々と関係者を拉致監禁し、拷問するシーンの写真だ。狂気に満ちた小夜子の姿に、監督の黒沢清は「彼女の鋭く怪しいまなざしと、野獣のような身のこなしが、この映画をオリジナル版にもましてミステリアスで深みのある作品に格上げしてくれました」と絶賛した。
柴咲は、小夜子の危険な狂気を体現するため、精神的・肉体的にも徹底的に役作りに取り組んだという。監禁された人々への冷酷な拷問シーンでは、ナイフを振り上げる小夜子の異常な眼光と動作に、観る者の背筋が凍るはずだ。
境地に達した柴咲コウの魅力
柴咲コウはこれまで、数々の賞レースを沸かせてきた実力派女優だ。しかし今回の復讐劇では、新たな境地に達したように見受けられる。監督も絶賛するほどの、狂気と魅惑の演技を見せているのだ。
柴咲の小夜子は、一見すれば気丈で知的な女性だ。しかし内面には、誰にも理解できぬ深い闇が渦巻いている。柴咲はその狂おしさを存分に発揮し、観る者を戦慄させずにはいない。
一方で、柴咲の小夜子には魅力的な部分もある。そこには女性の持つ複雑な心理と、時に発露する野生的な本能が隠されているのだ。柴咲の演技を通して、人間という存在の深層が剥き出しになっている。これは恐ろしいが、同時に見入ってしまう魅力に満ちている。
黒沢清監督との絶妙な絡み
柴咲と黒沢監督の相性の良さも、本作の見どころのひとつだろう。黒沢監督は過去に「いのちの停車場」「無伴奏」など、柴咲主演の名作を数々世に送り出している。二人の邂逅は必ずといっていいほど、傑作の誕生を予感させる。
今回も、柴咲の野生的で狂気に満ちた演技が、黒沢監督の画面構成や演出と絶妙に絡み合っている。柴咲の持つ魅惑的な色気を最大限に活かしつつ、その暴力性や扱いづらさも見事に表現されている。
黒沢監督の手腕と柴咲の演技力が見事に調和を成し、まさに”ミステリアスで深みのある作品”と呼ぶにふさわしい出来映えになっているのだ。この地獄への賽を投げかけるような禁断の作品は、映画ファンの間で必見と囁かれている。
柴咲コウ ナイフを振りかざす狂気的な姿 主演映画の怪演を捉えたシーン 解禁 …柴咲コウさん(42)が主演した映画『蛇の道』の場面写真が3日、新たに解禁されました。 本作品は、フランス人俳優・ ダミアン・ボナールさん演じる、娘を… (出典:日テレNEWS NNN) |