監督の想い込められた作品
「青春１８×２ 君へと続く道」は、藤井道人監督が台湾と日本の合作として手掛けた作品だ。原作は台湾で話題となった紀行エッセー。人生に行き詰まったジミー（シュー・グァンハン）が、18年前の初恋の思い出を胸に日本各地を巡り、初恋の相手アミ（清原果耶）の故郷・福島を目指す物語が描かれている。
藤井監督は、シューに対して「君の日本語のせりふは少しだけ」と事前に伝えていた。しかし、実際の脚本を見ると、シューの日本語のせりふは予想以上に多かったという。監督はユーモアを交えながら「『多い』と言ったら出てもらえないと思って。最初は少なめに言いました」と観客に明かし、笑いを誘った。
一方のシューは、日本語の台詞に対して「時間をかけて一生懸命、練習しました」と語っている。異文化を越えて作品に挑んだ双方の努力の跡が垣間見える。
撮影での思い出と成長
清原は、撮影で印象に残るシーンとして「シューとのバイクの二人乗り」を挙げた。二人乗りが初めてだったため、最初は遠慮して乗っていたが、一度バイクが急加速してお尻が浮くほどの体験をした。その後、シューに乗り方を教えてもらい、楽しく撮影できるようになったという。
このエピソードからは、役者同士の信頼関係が窺える。異文化の壁を乗り越えて、互いを尊重し合いながら作品づくりに臨んだ様子がうかがえる。
アジアから世界へ向けた願い
この作品は台湾ですでに公開され、今後も韓国をはじめアジア各地で劇場公開が決まっている。道枝は「『アジアにもっと出て行きたい』との目標が固まったタイミングで、この作品のお話を頂いた」と語る。そして「世界中の皆さんに届けることができて、本当にうれしく思います」と喜びを表した。
国境を越えて制作された本作品は、アジアから世界へと羽ばたく一歩となった。出演者たちの願いが込められた作品が、多くの人々の心に届くことを期待したい。
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